弁護士と税理士業務

 私のように弁護士が税理士業務をしていることを見聞きしたことはありますか。弁護士が税理士登録をしている例のほか、弁護士が、国税局に通知をすることにより税理士業務をしている例もあります。私は、税理士登録はしておらず、国税局に対して通知をすることにより税理士業務を行っています。

 今回は、弁護士が、税理士業務を行う法的根拠についてお話ししたいと思います。

 弁護士法第3条第2項は、弁護士は、当然、弁理士及び税理士の事務を行うことができると定めています。

 弁護士法の条文からすると弁護士は、特に税理士登録や国税局への通知をせずに税理士業務を行うことができるようにも読めます。

 しかし、税理士法第51条は、弁護士は、所属弁護士会を経て、国税局長に通知することにより、その国税局の管轄区域内において、随時、税理士業務を行うことができると定めています。

 このため、弁護士法第3条第2項にかかわらず、弁護士が税理士業務を行うには、税理士法51条の通知が必要となるのか否かが、裁判で問題となったことがありました。

 大阪高判平成24年3月8日は、依頼者の納税義務の履行方法等を大阪国税局と交渉していた弁護士が、大阪国税局の担当者から、税理士法第51条の通知がないことを理由に依頼者と大阪国税局担当者との交渉の場に立ち会いを拒否されたことについて、その行為が違法な公権力の行使に当たると主張して、国家賠償請求をした事案です。

 裁判所は、「条文の解釈としては、弁護士が当然税理士の事務を行うことができる旨を定める弁護士法3条2項の規定は、税理士法による制約を受け、弁護士が現実に税理士業務を行うについては、税理士法の手続規定に従い、同法18条の税理士の登録を受けるか同法51条1項による通知を要するものと解するのが相当である」としました。

 そのため、弁護士が税理士業務を行う場合、税理士登録をするか、税理士法第51条の通知をすることが一般的です。

 なお、税理士法第3条第1項第3号は、税理士となる資格を有する者として弁護士を挙げていますので、弁護士であれば、税理士登録をすることができます。

 税理士登録がされているか否かは、日本税理士会連合会のホームページでの税理士検索で確認することができます。

 税理士法第51条の通知をしているか否かは、下記の各国税局が公表しているWEBサイトで確認することができます。

 国税局長に通知を行った弁護士

 税理士業務を取り扱っている弁護士か否かは、このような方法で確認することができます。

 私は、税理士法第51条の通知を各国税局にしておりますので、上記の国税局長に通知を行った弁護士で私の名前を確認することができます。

弁護士 吉田正毅

 

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