交際費等の判断基準——東京地裁判決が示した実務的視点

企業活動における飲食費の取扱いは、税務調査において争点となりやすいテーマの一つです。特に、飲食費が交際費等として損金算入できるか否かは、支出の目的、相手方との関係性、業務との具体的関連性といった複数の要素を総合的に判断する必要があるため、専門家にとっても判断が難しい場合があります。

東京地裁令和5年5月12日判決は、代表者の飲食費について、交際費等該当性の判断枠組みを丁寧に示した事例です。本判決は、納税者の主張を一部認めて、原処分を取り消しており、実務において参考になると考えて、拙稿「交際費等該当性の判断基準」で取り上げました。

本判決が示した重要なポイントは、交際費等として認められるためには、単なる「人脈づくり」や「営業活動の一環」といった抽象的なものでは足りず、具体的な業務関連性が必要であるとした点です。裁判所は、飲食の日時・場所・相手方の特定を前提としつつ、支出目的について、法人の業務との具体的な関連性が必要であるとしました。一方で、個別の飲食と個別の取引との間に厳密な因果関係まで求めるものではなく、継続的な取引関係が存在する相手方との飲食について、明確に業務と関連性のないプライベートとして行ったものでない限り交際費等として認められ得るという判断も示しています。

実際に本判決は、継続的な取引先との飲食は交際費等として認めた一方、継続的な取引先以外との飲食費は、業務との具体的関連性があるとはいえないと判断しました。

さらに本判決は、交際費等に該当するとした支出について、消費税法上の仕入税額控除の要件を満たさないとして、仕入税額控除を認めませんでした。

拙稿「交際費等該当性の判断基準」では、本判決が判示した法人税法上の交際費等の要件、消費税法上の仕入税額控除の要件について、判決の論理構造を検討し、実務への示唆をより詳しく解説しています。ぜひ、ご覧ください。

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